試合や練習のパフォーマンス、筋力トレーニングの前に、
よくウォーキングやジョギングなどの有酸素運動でウォーミングアップを行いますが、
それにはどのような効果があるのでしょうか?
パフォーマンスや筋力トレーニングの前のウォーミングアップとして
ジョギングなどを行うことで体が温まり、体内の化学反応が活性化します。
さらに、体の温度が高くなればなるほど、この化学反応も活性化が早くなります。
まずは、こうした化学反応を活性化するのが、ウォーミングアップの目的で、
本番のパフォーマンスで最高の力が発揮できるように準備するわけです。
たとえば、筋肉の温度が10度上がると、生体反応の速度は、
約2~2.5倍もアップしますが、
逆に、筋肉が39~30度くらいまで冷たままだと、
本来のパフォーマンスの半分以下になり、ケガを招く原因にもなります。
体が温まることで筋肉の温度も上がり、筋肉の血流が良くなり、代謝が活発になり、
中枢神経も活発になって反応能力がアップします。
ただし、筋肉の温度が、41度以上になると、
筋肉内のタンパク質が変性して死んでしまうので、
パフォーマンス前のウォーミングアップとしては
39度くらいが理想的な温度になります。
いざ競技となり、相手と対戦することになった場合、
ウォーミングアップでの筋肉の温度が、勝敗に大きくかかわってきます。
では、ウォーミングアップとして、どの程度行えばいいのでしょうか。
やはり筋肉の温度を上げるには、有酸素運動が最適です。
軽い運動のウォーキングでも消費したエネルギーの半分くらいは熱になりますし、
ジョギングを行えば、太ももの大きな筋肉を刺激して
筋肉の温度上昇が効率的に行えます。
その他に、エアロビックスや踏み台昇降なども有効ですが、
疲れない程度に行うことです。
軽いジョギング程度なら、おおむね10分程度で十分でないでしょうか。
ですが、夏場の暑い時期は、もっと短くてもいいです。
逆に、長くダラダラ行っても、そんなに筋肉の温度は変わりませんし、
ただ疲労が増すだけなので、10分以上のウォーミングアップは
意味なく無駄が多いということになります。
ウォーミングアップする時間より、軽く汗ばむ程度の感覚を目安にしましょう。
そして、パフォーマンスや筋力トレーニングの後のクールダウンとしても、
やはりウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が有効です。
クールダウンは、運動によって体内に生産された疲労物質を除去し、
疲労回復を促してくれます。
パフォーマンス後は、会話ができる程度の軽いジョギングで、
5分程度を目安にしましょう。
その後、さらに、筋肉や腱を伸ばしていく
「スタティックストレッチ(静的ストレッチ)」を行うことで、
体温と心拍数を下げて体は安定状態になり、リラックスしていきます。