人の体に占める筋肉の割合は、一般的な２０歳代の男性で約４０パーセント、
女性で約３５パーセントといわれています。
それが、筋肉を鍛えるような運動を何もしていないと、
３０歳を過ぎたくらいから徐々に減り始めます。
筋肉は、１年間に１パーセントずつ減るといわれ、
７０歳代になると、２０歳代に比べて約三分の二まで減少してしまいます。
例えば、２０歳代で体重５０キログラムの女性なら、
約１７.５キログラムあった筋肉が、
１２キログラム以下にまで減ってしまうということです。
もちろん個人差はありますが、筋肉の減少は４０歳を過ぎたあたりから目立ち始め、
さらに、運動不足が加わると、筋肉減少を促進させることになります。
宇宙飛行士が、長期間、無重力の宇宙で過ごして、地球に帰ってくると、
まともに歩けない状態になりますが、これは、無重力で長期間過ごして、
筋肉を使わなかったために、急激に筋肉が衰えてしまったためで、
日常の生活で、あまり筋肉を使う機会がないと、宇宙飛行士のように、
どんどん筋肉が衰えてしまいます。
実際、病気などで長期間入院してベットの上で寝たきりの生活をしていると、
ベットから起きて歩こうとしても、足元がふらふらして
まともに歩くことができなくなってしまいます。
ベットに寝たきりの状態が、２日間続くと、
筋肉は約１パーセンント減少するともいわれています。
このように筋肉量が減少して、まず最初に感じることが
「太りやすくなった・・・」ということです。
「若い頃と食べる量は変わらないのに、徐々に太ってきた・・・」と、
感じている人は、筋肉量が減ったことで基礎代謝量が低下したことが原因です。
ようするに、筋肉量と基礎代謝量は比例関係にあるので、
筋肉量の減少とともに基礎代謝量が低下します。
その結果、１日あたりの総消費エネルギー量の低下につながるので、
若い頃と同じ食事量を摂取していては食べ過ぎとなり、太ってしまうわけです。
さらに、筋肉量の減少は、高血圧や高脂血症、糖尿病など、
メタボリックシンドロームといわれる生活習慣病を招くなど、
病気にかかりやすくなり、腰痛やひざ痛などの関節痛、骨粗しょう症など、
痛みやケガも増えてきます。
こうした悪い状態を防いで、健康的な体を維持し続けるには、
筋肉を鍛えて、筋肉量を維持することが大切です。
中には、ウォーキングしたり、ヨガをしたり、
ストレッチをしているから大丈夫という人がいらっしゃいます。
残念ながら、ウォーキングやヨガ、ストレッチだけでは、
肝心の筋肉はなかなか付いてくれません。
ウォーキングなどの有酸素運動は、体脂肪を燃焼するという効果はありますが、
筋肉を鍛えるまでの運動にはなりません。
逆に、有酸素運動だけでは、筋肉量を減少させる恐れもあります。
やはり、今までに失った筋肉を取り戻すには、筋力トレーニングが最適です。
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