真夏の暑い時に激しい運動したり、
サウナや湯船に長時間入っていると大量の汗をかきます。
多い時は、１リットル以上も汗をかくこともあり、
体内の水分が不足した状態になるので、絶対に水分の補給を怠ることはできません。
昔は、学校のクラブ活動などで「練習中の水分補給はダメ！」と、
よくいわれたものですが、これは完全に間違った指導法で、とんでもないことです。
では、もし、大量の汗をかいた後、水分の補給をしないで放っておくと、
一体どうなってしまうのでしょうか。
人の体は、体重の４％くらいまでは水分を失っても、
必要以上に体温を上昇させないための作用としては大丈夫とされています。
例えば、体重６０キログラムの人なら、２.６リットルまでは
生理的に大丈夫ということですが、
その前に、２％失われた時点で体は水分不足を感じて、
のどが渇いた状態に陥ります。
さらに進んで、６％になると、水分調整の働きを失い、
ふらつき、頭痛、手足のふるえ、脈拍や呼吸数の上昇などの症状があらわれて
脱水症状になり、８％以上で、呼吸困難、幻覚、精神錯乱、チアノーゼなど、
とても危険になり、２０％を超えると生命の危機という最悪な状態になります。
このように、体内の水分が不足するとうことは、
とても深刻な状態でさまざまな症状があらわれて生命を脅かすことになります。
それだけ人の体にとっては絶対に欠かすことのできない水ですが、
もし、何も食べる物が無くなっても、
水さえ飲んでいれば２～３週間は生きていけるといわれています。
ですが、全く水がなければ、４～５日程度しか命は持たないそうです。
そんな水は、体の中で、主にどんな働きをして健康を維持させているのでしょうか。
人の体の約６０％は水分でできており、
例えば、筋肉は７５～８０％、肌は約７１％、意外かもしれませんが骨でさえ、
３分の１は水分で占められ、１日に約２.５リットルの水が出入りして
体内を循環して日々入れ替わっています。
体内に摂取される水分は、主に飲料水と食べ物からになり、
排泄は、尿や便、汗、さらに、息を吐いた時にも水分が放出されており、
これらの４つの経路から水分が体の外へ出されていきます。
そして、口から入ってきた水は、胃腸で吸収されてから血液やリンパ液として
全身を駆け巡り、その後、３分の１は細胞内液、
残りは細胞外液の２つに大きく分けられます。
細胞内液は細胞の中に存在する水分で、エネルギー代謝など、
健康的な生命活動を維持するために働き、
一方、細胞外液は、血液、リンパ液、細胞間液、脳脊隋液に存在し、
体内を循環している血液とリンパ液では、
各細胞に栄養素や酸素を届け、不要な老廃物を回収するという働きをしています。
こうした体内水の循環がスムーズに行われていれば、
臓器、血液、リンパ液など、体を構成しているあらゆる組織が正常に働いて
健康な状態を維持できますが、水分が不足したり、循環が滞って
水分量のバランスが崩れると、臓器の新陳代謝が鈍り、
老廃物もスムーズに排泄されなくなり、頭痛、疲労感、関節痛、むくみなど、
さまざまな不調があらわれて健康な体を維持できなくなります。
運動などで大量に汗をかいた時は、早急に水分を補給しなければなりませんが、
健康な体を維持するためには、普段から水分補給を意識して、
こまめに少しずつ飲むという習慣を身に付けることが必要です。
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