最近「糖化」という言葉をよく聞くようになったのではないでしょうか。
健康や美容意識の高い人にとっては、エイジングケアのキーポイントとして
当たり前のように知られていますが、まだまだ「糖化」という体内で起こる反応、
そして、体に及ぼす悪影響について、知らないという人は少なくありません。
人の体は、筋肉をはじめ、内臓、皮膚、血管、髪など、
ほとんどがタンパク質でできていますが、そのタンパク質が
食事から摂取された糖分と結びつくと変性・劣化して、
老化を加速させて病気を招くなど、タンパク質で構成されているさまざまな組織に
悪影響を与えます。
この反応が「糖化」です。
例えば、クッキーやホットケーキを焼くと、
徐々にこんがりとした茶色に変化していきますが、
これは、卵や牛乳のタンパク質が砂糖と結びついて起きた反応で、
これも糖化になります。
こうした糖化が血管を構成しているタンパク質の部分に起こると、
血管壁などが劣化して、動脈硬化の危険性が高まり、
脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、狭心症、糖尿病などの重病につながり、
さらに、認知症やアルツハイマー病にも大きな影響を与えます。
また、肌の弾力性を維持しているタンパク質の一種であるコラーゲンに起こると、
肌の弾力性が失われて、たるみやシワが目立つようになり、
老化を加速させることになります。
ちなみに、化粧品業界では早くから「糖化」についての研究が進み、
すでに抗糖化の効能を謳った化粧品が開発されています。
そして、目に及ぶと、白目が黄ばんできたり、水晶体が濁って白内障を招くなどして、
網膜症やドライアイなどの原因も関係しているといわれています。
しかし、まだ若くて健康に自信を持っている人の中には
「こういう糖化による病気は関係ない・・・」
と思ってる人も多いのではないでしょうか。
ですが、もし、日頃、疲れやすいとか、
体のだるさを感じるようなことがあれば要注意です。
ちょっとした体の変化や不調は、糖化による影響の始まりかもしれません。
このように厄介な糖化を防ぐには、普段の食事の摂り方が大切です。
基本的には、炭水化物や糖分を摂り過ぎないような食事を心がけるということです。
人の体は、糖分を多く含む炭水化物などの食品を多量に食べると、
血糖値が急上昇します。
すると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されて、
上昇した血糖値を下げるように働きますが、これが何回も繰り返されると、
処理されない糖分が残るようになり、
体内で多量の糖分がたぶついているという状態になります。
このたぶついた糖分が、多ければ多いほど糖化を引き起こすというわけです。
そもそも、このような状態は糖化だけでなく肥満体型になり、
糖尿病の発症にもつながります。
なので、重要なのは、血糖値を急上昇させないように
糖分の摂取をほどほどに抑えるということです。
もちろん、糖分が多く含まれるケーキやクッキーなどのスイーツは
控えなければなりませんが、ごはん、パン、麺類などの炭水化物は
体を動かすエネルギー源になり、また、極端に制限すれば
逆に健康を損なうことになりますので、減らすにも限界があります。
そこで、GI値の低い食品を選んで食べるという方法があります。
その前に、まずは、スイーツなどの糖分が多く含まれている食品をできるだけ控えて、
栄養バランスのよい食事を適正分だけ規則正しく食べるという
食生活を身につけましょう。
GI値の低い食品を食べれば血糖値が上がりにくく、
逆に、高いほど、血糖値が上昇しやすくなります。
ネットなどで、それぞれの食品のGI値を調べてみて下さい。