睡眠は、人生の3分の1を占めるにもかかわらず、
睡眠の重要性について認識していない人が結構いらっしゃいます。
その理由は「夜になったら寝る・・・」というあまりにも自然な行為なので、
深く考えることがないのでしょう。
しかし、もし人が寝なかったら・・・
一般的に、睡眠は1日の疲れた体を休ませるためと思われがちですが、
実は、体の疲労回復のための睡眠は全体の約2割程度で、
ほとんどは脳を休ませるためのものになります。
実際、仕事や家事、運動などの最中は体を動かしていますが、
疲れたらイスに座って休み、食事やお茶を飲む時なども体を休ませることができます。
しかし、脳は、1日中働き続けています。
体を休ませている時でも、脳は「次は何々をして・・・」などと、
いろんなことを考えて、休む暇が無いのです。
なので、もし、睡眠という脳の休息がなかったら、
脳の細胞が破壊されていき、やがて体も壊れて死に向かっていきます。
実際、そこまで眠らないという人はいないと思いますが、
連日、夜更かしをするなど、睡眠不足が続くと、何らかの悪影響を及ぼします。
例えば、脳の疲れがとれずに、1日中、ボーッとしたり、イライラしたり、
物忘れが多くなるなどし、また、体の疲労も取れないので、
仕事の効率が低下するなど、日常生活において、かなりの支障をきたします。
さらに、成長ホルモンの分泌が抑制されたり、
肌の新陳代謝であるターンオーバーが乱れるなどして
美容面にも悪影響を招くことになります。
よく睡眠時間の理想は8時間といわれますが、
大切なのは質の良い睡眠をとることです。
質の良い睡眠とは、
脳が完全に休息状態になる深いノンレム睡眠をとることです。
睡眠時間が多少短くても、深いノンレム睡眠がとれれば、目覚めも良く、
その日を快適に過ごすことができます。
そのためには、寝室などを工夫して環境を整えることが大切です。
例えば、寝室の明るさは30ルクス以下、住宅街の静けさは40ホン以下、
温度と湿度は、夏の場合、25℃前後、50%前後、
冬の場合、15℃前後、50%前後がよいとされています。
そして、自分に合った寝具を選ぶことも必要です。
敷き布団の硬さや枕の高さ、下着やパジャマにもこだわり、
血行が悪くなるようなものは避けるようにしましょう。
さらに、入浴は、ベットに入る2~3時間前に済ませて、のどが乾いたら、
コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含んだものは控えましょう。
就寝前にストレッチやヨガなどの軽い運動をしたり、難しい本を読んだり、
アロマテラピーも有効です。
逆に精神的ストレスがあると、寝つきが悪く、熟睡もできなくなります。
日頃から、スポーツや趣味をするなどしてストレス解消を心がけ、
心配事をベットに持ち込まないようにしましょう。