健康的な体を維持し、美しい肌や髪のためにも、
栄養バランスの良い食事や質の良い睡眠、適度な運動、ストレスを溜めないなど、
健康的な生活習慣という体の内側からのサポートがとても大切ということは、
少しでも健康と美意識の高い人なら、当たり前のこととして
十分に理解していると思います。
その中で、どれが最も重要かと聞かれたら、
多くの人が食事と睡眠の二つを挙げるのではないでしょうか。
どちらも比較できないほど重要なのですが、
まずは食事より睡眠のほうが大切といわれています。
確かに、人間は水さえあれば数週間は命を維持することができるし、
3~4日くらいインスタント食品やジャンクフードばかりですませても、
すぐ何らかの影響があらわれるということはありません。
それに対して、夜更かしして寝不足の翌朝は、頭痛がしたり、一日中ボッーとしたり、
集中力がなくイライラして、体もだるかったりするものです。
このように、睡眠不足の影響がすぐ何らかのかたちであらわれるのは、
睡眠が脳に大きな影響を及ぼしているからで、
実は、睡眠の役目は、脳を休ませることがメインで、
体の休息は全体の約20%くらいしかありません。
実際、日中、脳は、あらゆる部位に指令を出して働き続け、体が疲れた時も、
休息するように指令を出し、また、健康や美容のために働くホルモンの分泌なども
脳の指令によるものです。
ようするに、脳が正常に働いて、健康的な体が作られ、
肌や髪が美しく維持されるには睡眠が必要不可欠というわけです。
そんな睡眠について、よくいわれることは「質の良い睡眠を取る」ということです。
しかし“質の良い”とは、一体どんな睡眠なのでしょうか?
睡眠には、脳が休息状態に入っているノンレム睡眠と
体は休んでいても脳はまだ休息に入っていないレム睡眠の2種類があります。
ノンレム睡眠は、深い寝息で熟睡しているという状態で、
脳の活動は低下して休息状態にあり、呼吸や脈拍、血圧も安定し、
少しの物音ではなかなか目が覚めないほど深い眠りに入っています。
一方、レム睡眠は浅い眠りで、全身の力が抜けて筋肉などは休息状態にありますが、
脳は、まだ日中に近いレベルで活動ており、心拍数や血圧も安定していません。
さらに、睡眠状態ではありますが、まぶたの下ではキョロキョロと眼球が動いており、
また、夢は、このレム睡眠の間に見ることになります。
この深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠は、約90分ごと交互に繰り返し、
最初、眠りについた時はノンレム睡眠で、
一気にぐっすりと深い眠りに入っていきます。
その後、約90分で、レム睡眠にチェンジして、
これを1セットとして朝まで数回繰り返します。
「最低6時間の睡眠時間を取る・・・」と、よくいわれますが、
6時間眠った場合は、4セットということになります。
そして、最初のノンレム睡眠で、ぐっすり深い眠りを得られれば、
それ以後の睡眠もスムーズに整って、
朝はスッキリ目が覚め“質の良い睡眠”ということになります。
逆に、最初のノンレム睡眠で深い眠りにつけないと、質の悪い睡眠となり、
6時間以上の長時間眠ったとしても、目覚めが悪く、
日中も寝不足のような状態になります。
毎日、質の良い睡眠が取れるように、
入浴は、ベットに入る2~3時間前に済ませて、
カフェインを含んだコーヒーなどは控え、
寝室は静かにするなど、睡眠に入りやすい環境を作っていきましょう。