外から目に入ってきた映像が視神経から脳に伝わって、
はじめてその映像が“モノを見る”ということになって認知されます。
そこまでの過程は、カメラのフィルム現象とよく似た構造で、
目の中で、レンズとして働く「角膜」と「水晶体」、
そして、「毛様体筋」という筋肉が伸び縮みして「虹彩」という薄い膜で
ピント調整され、カメラのフィルム役をする「網膜」に映し出されて
視神経から脳に送られます。
この中で、ピント合わせをするために一生懸命に働いているのが
「水晶体」と「毛様体筋」です。
「水晶体」は、遠くのものを見るときは薄くなり、
近くのものを見るときは膨らんで厚くなりますが、
それを「毛様体筋」という筋肉が伸び縮みして調整しています。
しかし、こうした機能は、４０歳代に入った頃から徐々に衰えて
「毛様体筋」は弱くなり、「水晶体」は硬くなって弾力性がなくなり、
ピント調整が難しくなってきます。
すると、遠くのものを見るより、手元にある本やスマホの文字がぼやけて
見えづらいという老眼になります。
老眼は、人間として生きている以上、誰にでも起きる老化現象です。
人は、年を重ねるとともに徐々に衰えて、体型が崩れ、髪は薄くなって白髪が混じり、
肌は潤いが失われてシミやシワ、たるみが目立つようになりますが、
目も同じように衰えてしまいます。
こうした老化は、どうしようもないことですが、
老化を促進させるようなことは絶対に避けたいものです。
その一つが、活性酸素の発生による酸化です。
アンチエイジングの意識が高い人なら“酸化”という言葉は
いつも耳にしていると思いますが、
まだまだ知らないという人は結構いらっしゃるようです。
酸化とは、鉄などの金属がサビたり、リンゴやバナナの切り口が
茶色に変色すると同じように、活性酸素によって体がサビつくという現象です。
サビついたものを放っておくと、どんどん腐食が進んでモロくなりますが、
これと同じことが体の中でも起こってしまうというわけです。
実は、ただ呼吸しているだけでも、取り入れられた酸素のうち、
約２％は不安定な状態に変化して活性酸素になるといわれています。
しかし、本来、活性酸素は酸化させる強い力で、
体内に入り込んだ細菌類を駆除する働きがあり、体に必要なものです。
また、体内には活性酸素を除去するシステムが備わっています。
活性酸素は適量であれば特に問題ないのですが、
除去するシステムは老化によって衰えて、活性酸素が過剰に発生すると、
細胞や遺伝子にダメージを与えて、さまざまなところの老化を引き起こします。
こうした活性酸素が増える原因は、さまざまありますが、
食生活の乱れ、紫外線、ストレス、激しい運動、喫煙、大気汚染などが挙げられます。
そして、目に与える悪影響としては「水晶体」が紫外線を浴びることで
変性して弾力性が失われ、老化を促進して老眼を招くということになります。
こうした老化は、絶対に避けたいものです。
対策としては、まずは、活性酸素発生の要因をできるだけ控えることが大切ですが、
抗酸化作用のある食品を積極的に食べることが有効です。
抗酸化作用のある最も身近な栄養素では、ビタミンＡ、Ｃ、Ｅが挙げられますが、
目に良い食べ物としてよく知られているアントシアニンもあります。
アントシアニンは、ブルーベリーやブルベリーなどのベリー類、ぶどう、カシス、
さつまいもなどに含まれる色素成分ポリフェノールの一部です。
そして、抗酸化力だけでなく、目の疲れの解消など、
目の機能向上の効果が期待できるといわれています。
「最近、老眼かな・・・」と感じ始めて来たら、
アントシアニンを積極的に摂取してみましょう。
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