若い頃は、健康的でスリムな体型だったのに、
30歳代、40歳代と年を重ねるとともに運動する機会が激減し、
その代わりに飲み会などが急増して、
運動不足で食べ過ぎ、飲み過ぎという生活習慣に陥り、
その結果、お腹がポッコリと出た肥満体型に変わってしまったという人は
結構いらっしゃるのではないでしょうか。
こうした肥満は、見た目の印象が悪くなるだけでなく、
健康面にも大きな不安を抱えるようになります。
おそらく、健康診断を受診すれば、
メタボリックシンドローム、および、その予備軍と診断されるでしょう。
このメタボリックシンドロームとは、お腹周りについた体脂肪が原因で、
動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧、糖尿病など、
さまざまな生活習慣病になるリスクが高まっている危険な状態を指します。
こうした状態に陥ってしまう大きな原因は、やはり運動不足です。
確かに、好きなものを好きなだけ食べて飲んでという食べ過ぎの食生活も、
運動不足とともに大きな問題ですが、運動不足の生活は、
体の筋肉をどんどん減少させてしまいます。
そもそも現代社会は、いろいろなものが便利になって、階段の昇り降りや歩くこと、
さらに、重いものを持って力を出すということまでなくなって、
中高年の運動不足をますます助長するといった状況にあります。
こうした運動不足が続いて、どんどん筋肉量が減っていくと、
基礎代謝量が低下するので1日あたりの総消費エネルギーが減少して
太りやすい体質に変わってしまいます。
それに加えて食べ過ぎの食生活が続くと、
あっという間に体脂肪が蓄積されて肥満体型になり、
さらに、血液がドロドロになるなど、健康面にも悪影響を及ぼすようになります。
こうした不健康な肥満体液を改善するには、
本来、筋力トレーニングとウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を行い、
栄養バランスを考えた適正量の食事に改善しなければなりません。
しかし、運動に関しては、毎日、忙しくて時間に追われ、
なかなか運動する時間が取れないという人も多いと思います。
そんな人は、せめて、食事改善を中心に行い、
青魚などに多く含まれているEPAとDHAを積極的に摂ることをオススメします。
EPAはエイコサペンタエン酸、DHAはドコサヘキサエン酸の略称で、
イワシ、マグロ、サバ、マダイなどの青魚に豊富に含まれており、
人の体内では作ることのできない必須脂肪酸の一種です。
特に、EPAは、血栓ができにくくして、
動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧などを予防し、
血液をサラサラに改善する効果があるといわれています。
さらに、最近注目されているのが、EPAを摂取することで、
小腸下部から大腸にかけて存在するL細胞というところから
痩せるホルモンと呼ばれている「GLP-1」という消化ホルモンが分泌され、
肥満改善効果が期待できるということです。
この痩せるホルモン「GLP-1」は
「脳に働きかけて食欲をコントロール」
「血糖値の上昇をゆるやかにする」
「インスリンの分泌を促す」
「血糖値を上昇させる成分のグルカゴンの分泌を抑える」
という働きがあるといわれています。
40歳代、50歳代になって、特にこれといった運動は何もしていないし、
食事制限もしていないのに、スリムな体型を維持している人がいらっしゃいます。
そんな人は、痩せるホルモン「GLP-1」の分泌が多く、
痩せやすい体質になっているということがいえます。
痩せるホルモン「GLP-1」を多量に分泌させるEPAは、
青魚に豊富に含まれていますが、サバの缶詰やサプリメントが便利です。
そして、食物繊維を一緒に食べると、さらに多く分泌されます。
ぜひ、EPAとDHA、そして、野菜類を積極的に食べて、
多量の痩せるホルモン「GLP-1」を分泌させて、肥満を改善して下さい。