人が体を動かして活発な活動をするためには、十分なエネルギー摂取が必要です。
そのエネルギーは、毎日の食事から摂取される
炭水化物、脂肪、タンパク質の3大栄養素から作られますが、
その中でも、エネルギー源として効率よく利用しやすいのが炭水化物です。
白米、パン、麺類などが、代表的な炭水化物の食品となりますが、
これらの食品が口から取り入れられると、消化器官で分解されブドウ糖に変わり、
小腸から吸収され、肝臓を経て血液中に送られます。
この時、血液中に存在するブドウ糖を血糖といい、
血液中(1㎗)に含まれるブドウ糖の量(mg)の濃度を血糖値と呼んでいます。
炭水化物を多量に摂取した後は、血液中にブドウ糖が溢れ返って
血糖値が高い状態になりますが、それを察知して
膵臓から血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンが分泌されます。
活動エネルギーとなるブドウ糖ですが、血液中の中では何の役にも立たないので、
インスリンが活動エネルギーとして使われるように肝臓や筋肉、脳に送り込みます。
その結果、血液中のブドウ糖が減って血糖値が下がりますが、
それでも余ったブドウ糖は、脂肪細胞に取り込まれて肥満の原因となります。
このようにインスリンは、血液中に溢れ返ったブドウ糖を
円滑にそれぞれの細胞に送り、そして、血糖値を下げる働きをしていますが、
何らかの原因でインスリンの分泌が減少したり、うまく働かなくなると、
高血糖が続き、とても危険な状態に陥ってしまいます。
高血糖をそのまま放置していると、糖尿病予備群から完全な糖尿病へ移行し、
さらに、ドロドロ血液になって血管の障害を招き、
心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、高血圧になるリスクが高まり、
また、目の網膜、腎臓にまで及びます。
インスリンが分泌されなくなったり、
効きにくくなったという症状があらわれる代表的な病気は糖尿病です。
日本人の糖尿病患者のうち約95%を占めているといわれているのが
「成人型糖尿病」と呼ばれている2型糖尿病で、遺伝的な要因もありますが、
食べ過ぎや栄養バランスが偏った食事、運動不足、肥満、ストレス、喫煙など、
日頃の食スタイルや生活習慣に多くの要因が潜んでいるといわれています。
もともと日本人は、欧米人に比べてインスリンの分泌量は少なく、
半分の量ほどしかないそうです。
それにもかかわらず、欧米型で高カロリーの食スタイルに変わる傾向にあり、
さらに、忙しいことを理由に、食事時間が乱れていたりします。
まずは、食後の血糖値を急上昇させない食事を考え、適度な運動を習慣化させ、
健康的な生活習慣を送ることが必要です。
血糖値の上昇を抑える食事としては、
GI値の低い食品を選んで食べることが有効になります。
また、栄養バランスを良く考えて、野菜を多目に摂り、
1日の適正なカロリー量を守って食べること。
できれば、腹八分目で止めておきましょう。