人の筋肉は、20歳代の男性で全体重の40~45%、
女性は35~40%程度を占めており、
体の中心になるほど大きくなり、末端にいくほど小さくなります。
その筋肉は主に筋線維でできており、
その筋線維は「速筋繊維」と「遅筋線維」の2種類に大きく分かれます。
「速筋繊維」は収縮速度が速く、力も大きいですがスタミナがなく、
陸上競技でいえば100m走などの短距離選手タイプの筋肉になります。
一方、遅筋線維は、収縮速度は遅く、力も小さいですがスタミナはあり、
マラソン選手タイプの筋肉になります。
この2つの筋線維は色も違い、速筋繊維は白っぽい色をしているので「白い筋肉」。
遅筋線維は赤っぽい色なので「赤い筋肉」と呼ばれています。
また、筋力トレーニングを行った場合、できるだけ重い負荷を使い、
少ないレップ数で行えば速筋繊維が鍛えられ、
軽い負荷で多目のレップ数で行えば遅筋線維が鍛えられます。
そして、筋肉は、さらに「インナーマッスル」と
「アウターマッスル」に分けられます。
インナーマッスルは、姿勢を維持したり、関節を適正なポジションに維持するなどの
役割があり、体の深い部分にあるので
「外から触れることができない筋肉」と呼ばれています。
それに対してアウターマッスルは、触れてみれば筋肉の収縮を感じることができて、
外側を覆っている筋肉で体を動かすパワーとなります。
例えば、肩関節には、三角筋というアウターマッスルと、
棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つのインナーマッスルがあります。
アウターマッスルの三角筋によって肩関節が動くと、
4つのインナーマッスルが連動して動き、
肩関節の安定性を高めて、抜けたりしないようにしっかり支えています。
このようにインナーマッスルは、地味ですがアウターマッスルと連動して
関節が正しい位置で動くようにしたり、
立ったり座ったりという姿勢を維持するなどの大切な働きをしています。
しかし、筋力トレーニングで鍛えられるのは、主にアウターマッスルになります。
なので、実際、インナーマッスルは自分で意識しにくい筋肉ということもあり、
なかなか鍛えるのが難しい筋肉でもあります。
よく野球のピッチャーがゴムチューブを引っ張ったりして
肩を鍛えているようすを見ることがあると思いますが、
このようなトレーニングがインナーマッスルに有効のようです。
そもそもインナーマッスルは、姿勢を維持するために常に使われているので、
日常生活の中の動き自体が軽いトレーニングになります。
それでも、しっかり鍛えられるように、
ゴムチューブなどのトレーニングを取り入れてみましょう。
また、マシンだけに頼っているトレーニングは、
ある程度、動作が固定されてしまうので、
インナーマッスルの動きも制限されてしまいます。
なるべくダンベルなどのフリーウエイトを使って、
インナーマッスルを意識しましょう。