「歳をとるごとにどんどん体が硬くなる・・・」
と感じている方は多いのではないでしょうか。
そもそも体が硬いとは、一体どういうことなのでしょうか?
単純にいえば、筋肉や関節に柔軟性がなく、前屈ができなかったり、
脚が広がらないといった関節の可動域が狭くなっている状態ですが、
正確には、筋肉をはじめ、その周囲にある腱、筋膜、靭帯、関節包の組織など
さまざまな部位がかかわっています。
これらの要因から体が硬くなってしまう大きな原因は、運動量の減少にあります。
加齢によって、関節などのコラーゲン線維の劣化や減少という要因もありますが、
歳を重ねるとともに、走ったり、跳んだりという大きな運動が減り、
さらに、休日は家でソファに寝転がって1日中テレビを見ているという時間が増え、
活動量がどんどん減少して筋肉が衰えていることが大きいと思われます。
逆に筋肉の使い過ぎも原因の一つで、
ディスクワークなど長時間同じ姿勢でい続けることでも筋肉は硬くなってしまいます。
このような生活習慣が続き、筋肉が衰えて柔軟性もなくなると、
関節の可動域が狭くなるだけでなく、
血液循環が悪くなってコリや冷え性などの不調があらわれ、疲労回復が遅くなり、
姿勢も悪くなって老けた印象を与えてしまいます。
また、スポーツをする人は、動きが鈍くなりケガもしやすくなります。
こうした状態を改善するためにはストレッチが有効です。
ストレッチとは、筋肉を伸ばすという行為で、
関節をできるだけ曲げたり伸ばしたりすることで筋肉を引っ張って伸ばすことができ、
その結果、関節の可動域が広がり体の柔軟性を向上することができます。
しかし、一口に“ストレッチ”といっても、
静的ストレッチや動的ストレッチなどさまざまな種類がありますので、
まずは、自分の目的にあった手法のプログラムを選び、無理なく実践してみましょう。
例えば「硬くなった体をゆっくり柔らかくしたい・・・」
「スポーツの後のクールダウン」などは、
じっくり筋肉を伸ばした姿勢を静止する静的ストレッチがオススメで、
特別な道具は必要なく、場所も選ばず、誰でも安心して取り組めるストレッチ法です。
一方、動的ストレッチは、
歩いたり、走りながらリズミカルに筋肉を伸ばすストレッチ法で、
スポーツ前に行えば、筋肉が温まってパフォーマンスの向上につながります。
こうしたストレッチをしっかり継続していけば、体の柔軟性が向上するだけでなく、
血液循環が良くなり、酸素や栄養素が体の隅々まで行き渡るようになり、
また、筋肉の温度も高く保たれてエネルギー代謝が活発になるので
基礎代謝量がアップしダイエットにも有効となり、
健康的で快適な体に変化していきます。
静的ストレッチは入浴中や入浴後、体が温まった状態で行うと、さらに効果的です。