これといった運動はなにもせずに、好きなものを好きなだけ食べて飲んで
という食生活を続けていれば、当然、体脂肪が体内にどんどん蓄積されて
肥満体型に向かっていきます。
すると「これはまずい・・・」と思い、ダイエットを始めるわけですが、
ダイエットの目的は「できるだけ体脂肪を減らす・・・」ということになります。
このようにダイエットを実践している方からすれば体脂肪は
「体に不要な悪者で、嫌われ者」という思い込みがあるのではないでしょうか。
ですが、体脂肪は人間が生きていくうえで
絶対に欠かすことのできない大事なものです。
もちろん、体脂肪が増え過ぎると肥満体型になり、
見た目の印象が悪くなるだけでなく、高血圧や脂質異常症、糖尿病など、
さまざまな生活習慣病の原因として挙げられ、
生命を脅かす重病を招くリスクが高まります。
よく「肥満は万病の元」といわれますが、
体脂肪の増え過ぎは決して体に良いことはなく、悪影響を招くことになります。
なので、体脂肪は、体になくてはならないものですが、
適度な量ということが大前提です。
それでは、体脂肪は体にとってどんな役割をしているのでしょうか?
その役割は「飢餓状態になった時の栄養を貯える貯蔵庫」「体温を一定に保つ」
「プロテクターやクッションのように衝撃から体を守る」という3つが挙げられます。
適度な体脂肪はこのような役割を担い、体にとって大事な組織ですが、
では、この体脂肪はどうやって体に蓄積するのでしょうか?
日々の食事から摂取した栄養は、
内臓や筋肉などのエネルギーとして取り込まれますが、
食べ過ぎて内臓や筋肉などが必要としている以上に取り込まれたエネルギーは、
体脂肪としてどんどん蓄積されます。
体脂肪を構成している脂肪細胞は、栄養を取り込むと、
どんどん膨らみ、さらに、大きくなると分裂していきます。
このようなメカニズムから体脂肪はいくらでも栄養を取り込んで、
限りなくどんどん増えていきます。
ようするに、肥満体型は上限設定がなく、いくらでも栄養を取り込むことができて、
いくらでも太ることができるという恐ろしいことです。
一口に体脂肪といっても、大きく分けて
「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類があります。
「皮下脂肪」は、皮膚と内側の組織に挟まれた部分に体脂肪が付くタイプで、
皮膚の下の限られたスペースに付くものなので、ある程度限りがあります。
それに対して「内臓脂肪」は、
お腹まわりの広いスペースに付くので限度がありません。
実は、体脂肪が増え過ぎて命にかかわる大問題となるのは「内臓脂肪」のほうです。
確かに、体脂肪は人間が生きていくうえで絶対に欠かすことのできないものですが、
それは適度な量が大前提。
お腹がポッコリという方は、
「内臓脂肪」が蓄積しているという傾向にあるので注意が必要です。