1日あたりの総摂取エネルギー量が、
総消費エネルギー量を上回るという生活習慣を続けていると、
消費し切れなかったエネルギーが体脂肪として体内に蓄積されて、
いずれは、お腹がポッコリとした肥満体型としてあらわれてきます。
そんなお腹ポッコリの肥満体型は、
体脂肪がお腹まわりの内臓を中心にして付いたために起こる体型ですが、
体脂肪は付く場所によって3種類に分かれます。
ポッコリお腹が特徴で、内臓の周辺に付く脂肪を「内臓脂肪」、
皮膚と内側の組織の間に付き、体温を維持し、エネルギーを蓄え、
外部からの衝撃から体を守るという働きをしている「皮下脂肪」、
そして、内臓脂肪や皮下脂肪の脂肪組織に入りきれなくなり、
本来、蓄積するはずのない心臓、肝臓、膵臓といった臓器やその周辺に付き、
“第三の脂肪”あるいは“場違い脂肪”などと呼ばれている「異所性脂肪」があります。
ちなみに、この3種類の脂肪の他に、体の中には、もう一つ、
脂肪という名の付いた褐色脂肪という組織があります。
本来、内臓脂肪や皮下脂肪は、エネルギーを蓄えるという働きをしていますが、
この褐色脂肪は正反対で、
体の熱を生産して内臓脂肪を燃焼するという働きをしています。
しかし、体内に存在する量は、胸から脇、心臓や腎臓の周辺に少しあるだけで、
一般的な成人で、僅か40グラム程しかありません。
このような働きをする脂肪ばかりなら、ダイエットには好都合なのでしょうが、
実際は、体型を崩して健康を損なう元凶となるものばかりです。
よく肥満体型の人がダイエットを始めて、
どうしても体重を減らすことだけが目標になっていますが、
本来、ダイエットの目的は、
余分な体脂肪を減らすことで、体重計に乗った時の数値は二の次になります。
例えば、夏の暑い時期に運動すれば、大量の汗をかきます。
その状態で体重をはかれば、
1~2キログラムくらいは体重が減っていると思いますが、
それは一時的に体内の水分が失われただけで、
残念ながら汗と一緒に体脂肪が溶け出したわけではありません。
大量の汗をかいた状態をいつまでも放っておくと、
体にさまざまな悪影響が出るので、すぐに水分補給しなければなりませんが、
すると、あっという間に体重は戻ってしまいます。
実際、体脂肪が体内に蓄積されるのは簡単ですが、
それを減らすのは、そう簡単ではありません。
体脂肪2キログラムを減らすには、どんなに頑張っても数ヵ月はかかります。
筋肉量をアップして基礎代謝量を高め、さらに、有酸素運動をするなどして、
コツコツと地道に1日あたりの総消費エネルギー量を増やして、
総消費エネルギーが総摂取エネルギーを上回るという生活習慣を作ることが必要です。
皮下脂肪は、皮膚とその内側の組織の狭いスペースに付くので、
蓄積するにしても限界がありますが、
内臓脂肪は、お腹の広いスペースに付くので、基本的に限度がありません。
しかし、まだ原因ははっきりと分かっていないようですが、
ダイエットを始めると皮下脂肪より内臓脂肪のほうが落ちやすいといわれています。
お腹の出っ張りが気になりだしたら、さっそく、ダイエットを始めましょう。