日本は、塩分の摂取量が多くなる食習慣のせいなのか、
日本人には高血圧が多いといわれています。
実際、厚生労働省の調査によると、
40~70歳の高血圧有病率(140/90mmHg以上または降圧薬服用中)は、
男性で60%、女性では40%、
75歳以上になると、男性は74%、女性は70%も占めることが分かっています。
全体としては、約4.300万人もの高血圧患者がいると推定され、
日本人のおよそ3人に1人が高血圧ということになっています。
これだけ多くの高血圧患者が国内にいて、とても危険な状態にあるわけですが、
厄介なのは、自覚症状がないということです。
ですが、もっと怖いのは、高血圧によって血管や臓器に強い圧力がかかり続けて、
動脈硬化をはじめ、脳梗塞、心筋梗塞、腎臓病など、
命にかかわる重病を引き起こすリスクが高くなるということです。
こうした高血圧を引き起こす多くの要因は、
日頃の生活習慣の中に潜んでいます。
「野菜や魚が嫌いで肉が大好き・・・」
「塩辛い食べ物が好き・・・」といった食生活、肥満、過度の飲酒、タバコ、
運動不足、ストレスなどが挙げられますが、
特に、食べ過ぎの食生活と運動不足からなる肥満体型は注意が必要です。
もともと食べ過ぎの食事というのは、自然と塩分の摂取量も多くなり、
さらに、太って体が大きくなると、それだけ血液を循環させるために
心臓からの圧力が必要となります。
さらに、肥満体型は、高脂血症や高血糖を招き、
これらの症状と重なることで動脈硬化の危険性を増すことになります。
一口に肥満といっても、皮膚の下に脂肪がつく皮下脂肪型肥満と
内臓の周囲に脂肪がつく内臓脂肪型肥満の2つのタイプに分かれ、
特に危険なのは、内臓脂肪型肥満のほうです。
肥満体型になって体脂肪が増えてくると、
そこから多くの生理活性物質「アディポサイトカイン」が分泌されるようになります。
「アディポサイトカイン」は、現在、分かっているだけで23種類あるそうですが、
その中には、動脈硬化や糖尿病の原因になるものが存在します。
そして、「アディポサイトカイン」の分泌量は、
内臓脂肪型肥満のほうが、皮下脂肪型肥満より3倍以上も多いとされています。
また、内臓脂肪型肥満は、脂肪酸が多量に生産されるので、
血液中の脂肪量が増えて、動脈硬化を促進することになります。
このように肥満体型と高血圧は、深い関係にあります。
実際、体重を1キロ減らすことで、
血圧は、1.5mmHgほどの割合で下がり、肥満体型を解消できれば、
動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞を引き起こすリスクが減ることも明らかとなっています。
なので、お腹まわりがポッコリと出ている人は、
さっそく、ダイエットを始めましょう!
まずは、今までの食生活を見直して、
栄養バランスのよい食事を適正な量だけ規則正しく摂るように改善し、
そして、積極的に体を動かすようにしましょう。
肥満体型が解消できれば、高血圧も下がり、健康的な体に変わってきます。