仕事や家事、人間関係など、毎日の生活の中でストレスを感じることはありませんか?
40歳代になると、仕事や家庭での責任が増える一方で、
疲れが抜けにくくなったり、寝つきが悪くなったり、
夜中に目が覚めたりすることもあります。
そんな心と体の健康を考えるうえで注目したい成分が、GABA(ギャバ)です。
GABAは、私たちの体内にも存在するアミノ酸の一種で、
脳や神経の働きに関わっています。
リラックスやストレス対策、睡眠の質を意識した食品などに利用されており、
チョコレートや発酵食品など、身近な食品からも摂取できます。
今回は、GABAの働きや期待できる効果、GABAを多く含むおすすめの食品、
毎日の食生活に取り入れるポイントについて詳しく解説します。

1.GABAとはどのような成分?
GABAは「ガンマアミノ酪酸(Gamma-Aminobutyric Acid)」の略称で、
体内で神経の情報伝達を調整する役割を担っています。
脳内では、
神経の興奮を抑える方向に働く代表的な神経伝達物質として知られています。
脳や神経が過剰に興奮しないように調整することは、
落ち着いた状態を保つうえで重要です。
例えば、仕事で大きなプレッシャーを感じたり、
心配事が頭から離れなかったりすると、
気持ちが高ぶってリラックスしにくくなることがあります。
GABAは、こうした神経活動の調節に関係する成分です。
ただし、食品から摂取したGABAが、
そのまま脳内に大量に届いて作用するわけではありません。
経口摂取したGABAの体内での働きについては、まだ研究が続いています。
そのため、GABAを摂取すれば必ず気持ちが落ち着く、
あるいは睡眠の悩みが解消するというものではありませんが、
ストレス対策や健康維持を考えるうえで注目されています。
2.GABAに期待できるストレス緩和作用
ストレスを感じると、自律神経のバランスが変化し、心拍数が上がったり、
筋肉が緊張したり、気持ちが落ち着かなくなったりすることがあります。
GABAは神経活動を抑制する仕組みに関わっているため、
リラックスやストレス対策との関連が研究されています。
GABAを配合した食品の中には、
一時的な精神的ストレスの軽減などを目的として開発されたものもあります。
ただし、効果は製品に含まれる量や対象となる人、研究条件などによって異なります。
特に、緊張しやすい人や、忙しい毎日で気持ちを切り替えるのが苦手な人は、
GABAを含む食品を食生活の選択肢の一つとして考えてみるとよいでしょう。
大切なのは、GABAだけに頼るのではなく、十分な休息を取ること、
軽い運動をすること、ゆっくり呼吸することなども組み合わせることです。
3.GABAは質の高い睡眠をサポートする?
ストレスや緊張が続くと、就寝時間になっても気持ちが落ち着かず、
なかなか眠れないことがあります。
睡眠には、日中の活動によって生じる眠気だけでなく、
体内時計や自律神経、心理的な状態など、さまざまな要素が関係しています。
GABAは神経の興奮を抑える働きに関係しているため、
睡眠との関連についても研究されています。
GABAを含む食品やサプリメントについて、
寝つきや睡眠の質などへの影響を調べた研究もありますが、
研究の規模や質にはばらつきがあり、すべての人に効果があるとまではいえません。
質の高い睡眠を目指すなら、GABAを摂ることだけでなく、
次のような習慣も意識しましょう。
– 毎日なるべく同じ時間に起床する
– 朝起きたら日光を浴びる
– 就寝前はスマートフォンなどの強い光を避ける
– 夕方以降のカフェインを控える
– 寝る前にぬるめのお風呂に入るなど、リラックスできる時間をつくる
こうした習慣を整えながら、
GABAを含む食品をバランスのよい食生活に取り入れることが、
睡眠環境を見直すための一つの方法になります。
4.GABAに期待されるその他の健康効果
GABAは、ストレスや睡眠以外にも、
血圧や日常生活における健康管理との関連が研究されている成分です。
血圧を正常な範囲に保つ働き
GABAを含む食品やGABA配合食品の中には、
血圧が高めの人の血圧を下げる機能について研究されたものがあります。
ただし、血圧への影響は摂取量や食品の種類、
個人の健康状態などによって異なります。
GABAを含む食品を食べるだけで高血圧が治るわけではありません。
血圧が気になる場合は、減塩や適度な運動、体重管理などを基本にしましょう。
血圧の薬を服用している人は、GABA配合のサプリメントなどを利用する前に、
医師や薬剤師に相談すると安心です。
気持ちの切り替えやリラックスをサポート
GABAは神経の興奮を抑える仕組みに関わっているため、
心身の緊張やリラックスとの関連が注目されています。
ただし、GABAを食品から摂取することによって、集中力や記憶力が必ず向上する、
あるいは不安が解消されるといった効果が確立しているわけではありません。
ストレスの多い毎日を過ごしている人は、食事に加えて、
休息や運動、趣味の時間などを確保し、心身を休めることも大切です。
5.GABAを多く含むおすすめの食品
GABAは、野菜や穀類、豆類、お茶、発酵食品など、
さまざまな食品に含まれています。
特定の食品だけに偏らず、日々の食事に取り入れるのがおすすめです。
① 発芽玄米
発芽玄米は、GABAを摂取したい人におすすめの穀類です。
玄米を発芽させる工程によってGABAが増えることが知られています。
白米に発芽玄米を混ぜて炊けば、無理なく毎日の食事に取り入れられます。
食物繊維なども摂取できるため、
主食のバリエーションを増やしたい人にも向いています。
② トマト
トマトにもGABAが含まれています。
サラダやスープ、煮込み料理など、さまざまな食べ方ができるのが魅力です。
ビタミンCやカリウム、リコピンなども含まれているため、
美容や健康を意識した食生活に取り入れやすい食品です。
GABAの含有量は品種や熟度などによって変わります。
③ 納豆などの大豆食品
大豆にはGABAが含まれ、
発酵の過程でGABAを多く含むようになる食品もあります。
納豆や味噌などは、日々の食事に取り入れやすい発酵食品です。
納豆はタンパク質やビタミンKなども摂取できるため、
40歳代からの筋肉や骨の健康を意識する食事にも役立ちます。
④ キムチなどの発酵食品
乳酸菌などの微生物による発酵でGABAが生成される食品もあります。
ただし、すべての発酵食品に多く含まれるわけではなく、
使用する微生物や製造方法によって含有量は異なります。
キムチは野菜を手軽に食べられる一方、塩分が多い製品もあるため、
食べ過ぎには注意しましょう。
⑤ お茶
茶葉にもGABAが含まれています。
特に、製造工程を工夫して
GABAを多く含むようにした「GABA茶」などもあります。
ただし、一般的なお茶にはカフェインが含まれるものもあります。
睡眠を意識するなら、夕方以降はカフェインの少ない飲み物や
ノンカフェインのお茶を選ぶとよいでしょう。
6.GABAを効率よく取り入れるための食生活
GABAを摂取するために、特別な食品ばかりを食べる必要はありません。
まずは、普段の食事を少し工夫してみましょう。
例えば、朝食には発芽玄米と納豆、昼食にはトマトを使ったサラダ、
夕食には野菜たっぷりの味噌汁を組み合わせると、
GABAを含む食品を自然に取り入れられます。
また、GABAの含有量は食品によって大きく異なります。
同じ食品でも品種や加工方法、発酵条件によって変わるため、
食品名だけで摂取量を正確に判断することはできません。
GABA配合のチョコレートや飲料、サプリメントなどを利用する場合は、
パッケージに記載された機能性表示や摂取目安量を確認しましょう。
機能性表示食品は、医薬品とは異なり、病気の治療を目的としたものではありません。
なお、GABAは一般的な食品から摂取することもできますが、
サプリメントなどで多量に摂取すれば効果が高まるとは限りません。
妊娠中・授乳中の人や、治療中の病気がある人、薬を服用している人は、
サプリメントを利用する前に医師や薬剤師に相談してください。
7.40歳代からはGABAだけでなく生活習慣全体を整えよう
40歳代になると、仕事や家庭のストレスに加え、
体力やホルモンバランスなどの変化によって、
疲労感や睡眠の悩みを感じることがあります。
そんなときこそ、特定の成分だけに頼るのではなく、
食事・運動・睡眠のバランスを整えることが大切です。
– 食事
発芽玄米や野菜、大豆食品などを取り入れ、栄養バランスを整える。
– 運動
ウォーキングやストレッチなど、無理なく続けられる運動を行う。
– 睡眠
起床時間を一定にし、就寝前には心身を休める時間をつくる。
– ストレス対策
深呼吸や趣味など、自分に合ったリラックス方法を見つける。
GABAは、こうした健康習慣を支える食生活の一部として
取り入れるとよいでしょう。
なお、GABAを口から摂取することによるストレス緩和や睡眠改善については、
研究結果がまだ十分にそろっていません。
人を対象とした研究をまとめたレビューでも、
ストレスへの効果を示す証拠は限定的で、
睡眠への効果を裏付ける証拠はさらに限られると報告されています。
不眠が長く続いたり、日中の生活に支障が出たりする場合は、
食品だけで改善しようとせず、医療機関に相談することも大切です。
このように、GABAは、脳や神経の働きを調整する神経伝達物質として知られ、
ストレスや睡眠、血圧などとの関連が研究されている成分です。
発芽玄米、トマト、大豆食品、発酵食品、お茶など、身近な食品から摂取できるため、
日々の食事に取り入れやすいのも魅力です。
ただし、GABAを摂取すれば必ずストレスが解消したり、
ぐっすり眠れるようになったりするわけではありません。
GABAを含む食品を上手に取り入れながら、
食事・運動・睡眠のバランスを整えること。
それが、心身の健康を守り、いきいきとした毎日を送るための第一歩になります。


