食べ過ぎの食生活が原因で、お腹まわりに体脂肪が蓄積して
肥満体型になってしまった人がダイエットを始めようとした時。
まずは、適正量の食事に戻すことから始めて、
高カロリーの脂肪分を減らすことを考えるのではないでしょうか。
お腹まわりに溜まったのは脂肪ですし、チョットしたダイエット知識があれば
高カロリーな脂肪分が太る原因だと思うでしょう。
しかし、こうしたカロリー制限よりも、
糖質制限を優先するほうが肥満解消につながります。
日本人の主食は、ごはんをはじめ、パン、うどん、そば、ラーメン、
パスタなどの炭水化物の食品が中心になりますが、
そこには糖質と食物繊維が含まれています。
食物繊維は、ほとんど消化吸収されませんが、
糖質は体内に吸収されてブドウ糖になり、体を動かすエネルギーとなります。
糖質は、ブドウ糖や果糖などの最小構成単位でできている単糖類。
砂糖や乳糖、麦芽糖など、2つの単糖類がつながってできている二糖類。
ごはんやパンに含まれるデンプン、オリゴ糖、グリコーゲンなど、
単糖類が10個以上つながってできている多糖類という3種類に分かれます。
この中で、同じ単糖類でも果糖よりブドウ糖のほうがエネルギーになりやすく、
フルーツという健康食的なイメージがありますが、
果糖はすぐにエネルギーとして使われず、脂肪として蓄えやすい糖質となります。
また、単糖類や二糖類はすぐに血糖値が上昇しますが、
多糖類は消化に時間がかかり、糖質の中では緩やかな上昇になります。
それでも日々の食事から糖質を摂ると血糖値が上昇してしまいます。
すると、膵臓からインスリンが分泌されて血糖値を下げる働きをします。
その時、血液中の糖質を筋肉や肝臓の組織に取り込ませて血糖値を抑えるわけですが、
糖質を必要以上に摂取してしまい、貯蔵できないほど余った分は
脂肪として体内に溜め込んでしまいます。
これが体脂肪が蓄積して肥満体型に向かうメカニズムです。
逆に、糖質を制限した食事を続ければ、エネルギーとなるブドウ糖が不足し、
貯蔵したグリコーゲンや体脂肪をエネルギーとして使うようになるので、
痩せることになります。
しかし、今まで「糖質が不足すると脳が働かない・・・」という考えがあり、
甘いものを常に欠かさず食べるという人もいらっしゃいました。
ですが、これは間違いで、人の体にはブドウ糖がなくなれば
体脂肪をエネルギーとして使うシステムが備わっており、
その時に脂肪が分解されてできるケトン体が脳のエネルギーになるので
糖質不足から脳の働きが低下するという心配はいりません。
また、昼休みでたっぷり食事を摂り、
その後、仕事中に眠くなるという経験をしている人も多いと思います。
これは、昼食で過剰に摂取した糖質によって血糖値が急上昇し、
その反動で低血糖状態になり、一時的に脳に回っていたブドウ糖が
急激に減少したことが原因と考えられます。
ダイエットを始めようとした時の食事は、まずは炭水化物の食品を控えて、
できるだけ糖質の摂取を抑えることを優先に考えましょう。
たっぷり汗を掻いた運動後のスポーツドリンクや休憩中に飲む缶コーヒー、
コンビニのレジ横に置いてある大福や団子など、
かなりの量の糖質が含まれているので、十分に注意して下さい。