炎天下で激しい運動したり、熱いサウナに我慢して長時間入っていれば、
汗をいっぱいかいて、多い時は1リットル以上になります。
これだけ多量に汗をかけば、当然、体重は落ちます。
ですが、体重が減った分の中身は、ほぼ全部が水分で、
残念ながら汗と一緒に体脂肪が消費されたというわけではありません。
なので、水分を補給すれば、あっという間に体重は元に戻ります。
それでも、ダイエットしている人の中には、体重計に乗った時の数値が落ちれば、
それだけで痩せたと思い込んで、のどがカラカラに渇いても、
体重が元に戻るのが嫌で水分補給を我慢するという人もいらっしゃいます。
何十年も前は、学校の運動部などで「練習中に水を飲んではダメ!」と、
よく指導されましたが、これはとんでもない大間違いで、
水分補給を怠ると、最悪は死に至ることもあります。
人の体の約60%は、水でできており、
例えば、筋肉は75~80%、肌は約71%、
意外かもしれませんが骨でさえ、3分の1は水分で占められています。
これだけ多くの水分が体内に存在しているのですが、
そのうち、たった2%の水分が失われただけで、
体は水不足を感じて、のどが渇いてきます。
さらに進んで6%になると、ふらつき、頭痛、手足のふるえ、
や呼吸数の上昇などがあらわれて脱水症状に陥り、
8%以上で、呼吸困難、幻覚、精神錯乱、チアノーゼなど、
とても危険になり、20%を超えると生命の危機という最悪な状態になります。
こうした危険な状態に陥らないためには、汗をかいた後、
しっかりと水分補給することが大切になります。
では、これだけ多量に存在する体内水は、一体どんな働きをしているのでしょうか。
人の体の中は、1日に約2.5リットルの水が日々入れ替わって全身を循環しています。
体内水は、主に飲み物や食べ物から摂取されて、胃腸で吸収された後、
血液やリンパ液として全身を駆け巡り、各組織に分配され、
最後は尿や便、汗として体の外へ排泄されます。
こうした体内水の循環がスムーズに流れていれば、
体を構成しているあらゆる組織が正常に働いて活性化し、新陳代謝もアップして、
健康な体を保つことができますが、水分補給が十分にできず、水分不足状態になると、
新陳代謝が鈍り、血液やリンパ液の流れも滞るようになります。
すると、各細胞に栄養素や酸素が行き渡らなくなり、
不要な老廃物もスムーズに排泄されなくなり、
その結果、頭痛、疲労感、関節痛、むくみなど、さまざまな不調があらわれてきます。
このような不調があらわれる前に、
まずは、しっかり水分補給するという習慣を身に付けましょう。
そして、運動する時は、のどが渇く前のこまめな水分補給をオススメします。
こまめな水分補給で、血液やリンパ液の流れをスムーズに保てれば、
健康的なダイエット効果も期待できます。