カッコいいボディや美しいスタイルを作るために、
あるいは、以前よりも速く走ったり、重いものを持ち上げるなど、
競技のパフォーマンスを高めるために筋力トレーニングに取り組んで、
それぞれに必要な筋肉を筋肥大させています。
筋肉は、髪の毛1本と同じくらいの細さの筋線維が
数千から数万ほど束になって形成されています。
美しく何ブロックにも割れた腹筋やたくましい大胸筋などは、
筋力トレーニングによって、この筋線維の1本1本が肥大することで
筋肉が大きくなり、パワーアップし、見栄えがよくなります。
なので、筋力トレーニングは、
いかに効果的に筋肥大させるかが大切なポイントになります。
しかし、むやみやたらに重いダンベルやバーベルを持ち上げるだけでは、
疲労するだけで効果的に筋肥大してくれません。
もちろんタンパク質の摂取や休息も重要ですが、
筋肥大の効果が期待でき筋力トレーニングになるように、
重量、回数、セット数を考えなければなりません。
以前は、筋肥大を起こすために最も効果的な負荷は、
できるだけ重いダンベルやバーベルを上げるという
高強度のトレーニングが有効とされてきました。
運動強度をあらわす単位に「RM」があります。
「RM」とは、Repetition Maximum(最大反復回数)の略で、
1RMは、全力で1回しか上げられない重量ということになり、
2RM、3RMというように数が増えていくほど、重量が軽くなります。
例えば、ベンチプレスで全力で1回しか上げられない重量を1RMとし、
全力で10回まで反復できる重量を10RMとしてあらわします。
また、「80%1RM」と表示した場合は、
全力で1回上げられる重さの80%という意味になります。
高強度トレーニングは、だいたい1~6RMくらいの重量の使用で、
以前は、これが筋肥大に最も有効とされていたわけですが、
最近は、さまざまな研究により、
筋肥大の効果は「総負荷量」によることが分かってきました。
総負荷量とは、重量×回数×セット数で決まるということです。
例えば、ベンチプレスを行った場合、1~6RMくらいの高強度の重さは
そんなに回数をこなせませんが、
8~15RM(70~80%1RM)ほどの低強度の重さで行えば
回数をこなすことができて、その結果、総負荷量も高まります。
ただし、20RM(65%1RM)より軽い負荷になると、
普通のトレーニングでは筋肥大が起こりにくいといわれています。
一般的には、8~15RM(70~80%1RM)の重量で回数をこなせば、
総負荷量が高まり、効率よく筋肥大の効果が得られると思います。