人の体には、血管がいたるところに張り巡らされており、
その血管の中を血液が流れて全身を駆け巡り、
各細胞に栄養素や酸素を運んだり、老廃物や二酸化炭素を回収して排泄したり、
細菌などの異物の侵入を防いだり、傷口を塞ぐなど、
生命を維持するためにさまざまな働きをしています。
そんな血液は、一般的な大人の場合、体重1キログラムに対して、
男性は約80ミリリットル、女性は約75ミリリットルの血液量があるといわれています。
例えば、体重60キログラムの男性なら4800ミリリットル、
女性なら4500ミリリットルの血液が全身を流れているということになります。
そして、心臓がドクンと1回鼓動すると、
約80ミリリットルの血液が流されるといわれているので、
心臓が1分間に60回鼓動すれば、体内の全血液がたった1分程度の間で
全身を駆け巡るということになります。
このように超高速のスピードで全身を駆け巡って、
生命維持のためにさまざまな働きをしている血液ですが、
何らかの原因で、血液がドロドロの状態になってしまうと、
血管の中をうまく流れなくなります。
ある程度太さのある動脈なら、多少ドロドロの状態でもなんとか流れますが、
細くて狭い毛細血管では完全に流れが悪くなってしまいます。
すると、心臓が血液を押し出すための圧力が高くなって、
高血圧、高血糖、高脂血症などの状態になり、
最悪は動脈硬化が起こって血管が詰まり、
脳梗塞や心筋梗塞などの生命にかかわる傷害を招くことになります。
もともと血液は、ある程度の粘りがあり、少しドロリとしていますが、
常に食べ過ぎの食生活や運動不足といった乱れた生活習慣を続けていると、
完全なドロドロ状態に陥ってしまいます。
さらに、ストレスや喫煙などもドロドロ血液を促進させてしまうので注意して下さい。
血液をサラサラの状態に保つには、
こうした日頃の生活習慣が大きくかかわっていますが、
もう一つ、大切なことがあります。
それは、血液がスムーズに流れるために、
傷つきにくく、丈夫で、しなやかな血管が必要ということです。
血管がもろくて、血栓ができたりすると、
血液の流れを妨げることになってしまいます。
そんな血管は、大人一人分を1本につなげると、
約9万キロメートルもの長さになるといわれています。
そこを1分程度の間に全血液が全身を駆け巡るので、血液はサラサラの状態で、
さらに、丈夫な血管が必要というわけです。
傷つきにくく、丈夫で、しなやかな血管を保つには、
日頃の食事で良質なタンパク質を摂るなど、
栄養バランスのよい食生活が大きく影響します。
今までの生活習慣を見直して、
サラサラの血液と丈夫な血管を保てる生活習慣を身に付けましょう。