肝臓の異常があらわれたら、他の病気と同じように、
早急に病院へ行って検査してもらい、早期発見できれば完治が見込まれます。
しかし、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれているように、
何らかの異常があっても自覚症状があらわれにくい臓器で、
なかなか肝臓病と判断できるような症状がみられません。
自覚症状があらわれた時は、
既に肝臓病がかなり進行しているというケースが少なくありません。
それでも、肝臓に異変が起きている時は、体に何らかの形でシグナルを送っています。
例えば、体がだるくて疲れやすい、食欲不振、吐き気、
お酒が飲めなくなるといった症状があります。
ただし、このような症状は、胃腸の病気や風邪の初期症状などにもみられることで、
肝臓病として断定できるものではありません。
そのため、肝臓の異変とは気づかずに見過ごしてしまうことがあります。
それでは、肝臓の異常によってあらわれる症状を挙げますので、
健康と思っている方も、ぜひ、チェックしてみて下さい。
☆ 体がだるくて疲れやすい
風邪の初期症状と似ていますが、急性肝炎の初期にみられる症状です。
酷い場合は、寝ていてもだるさを感じるようになります。
☆ 食欲がなく吐き気がする
急性肝炎の初期や慢性肝炎が急に悪化した時にみられる症状ですが、
これも肝炎の特徴的なものではありません。
また、肝臓が悪化すると、油っこいものを食べた後に、
胃がもたれたり、油っこいものの匂いをかぐだけで吐き気を感じることがあります。
☆ お酒が飲めなくなる
もともとお酒の強さは、肝細胞にアルコール分解酵素を
どのくらい持っているかによって決定しますが、
お酒が急に弱くなって飲めなくなったり、悪酔いするようになったら、
何らかの肝障害にかかっている可能性があります。
☆ 黄疸があらわれる
健康であれば、血液中にはビリルビンという黄色の色素が、
ほんの僅かしか存在しませんが、肝臓に障害が起こると
血液中にビリルビンが増加します。
すると、ビリルビンの黄色の色素が、
肌や目の結膜に付着して肌や白目の部分が黄色になります。
こうした黄疸は、肝臓病の特徴的な症状ですが、
もともと日本人は黄色人種であるため分かりにくく、
また、みかんなどを食べ過ぎると、一時的に顔や手が黄色くなることがあるので、
簡単には肝臓病とは判断できません。
ですが、通常、白目の部分から黄疸があらわれますので、
黄疸に気づいたら早急に病院で診断を受けましょう。
その他、「尿が濃い褐色になり、便の色は白っぽくなる」「お腹が張る、重苦しい」
「手のひらが赤くなる」「首、肩、胸などに、クモ状の血管が浮き出る」
「男性の乳房がふくらむ」「吐血、下血が起こる」などの症状が挙げられます。
こうした症状の中には、肝臓病と断定できないものが多くありますが、
逆に、かなり進行しているというケースも少なくありません。
もし、気になる点があるなら、早急に病院へ行って検査してもらいましょう。